小さなステージから

音楽のすべて

[bauhaus]の魅力   (小さなステージから)

我は汝に命ず。バウハウスはdavid jay(b)のバンドである。
daniel ash(g)のロックンロール・ギターもpeter murphy(vo)のエキセントリックなボーカルもdavidとkevin haskins(dr)の堅実なリズムワークが無ければ存在できなかっただろう。
この事は「gotham」というライブアルバムに顕著になっている。これ以上に豪快なベースラインはそうは無いだろうと思われる。「gotham」と言えば日本盤の和訳が酷く、他のアルバムの加納一美氏の対訳のほうがお勧めである。そう言えばdavid bowieの対訳も偶に酷いのがある。
意外とポシティブ・パンク(「エイリアン・セックス・フィヨンド」「セックス・ギャング・チルドレン」「ダンス・ソサエティー」「ヴァージン・プルーンズ」等)の中ではbauhausはpopなバンドであった。「ダンソサ」もポップで演奏も巧かったがヒットしなかったのは不憫である。peter murphyのルックスやシアトリアスなステージング、時には意味を逸脱するほどに韻を踏んだ歌詞。流石である。軽佻浮薄な時代に重く暗いサウンド(しかし乾いている)と歌詞で時代を逆行した彼らがアリーナツアーを組んだというのをデビュー当時誰が想像できただろうか。
「イン・ザ・フラット・フィールド」は直訳の「この平面世界(2次元世界で)」、「キック・イン・ジ・アイ」は直訳の「キックだ!目だ!目を狙え!」「シーズ・イン・パーティーズ」は「彼女は群衆の中に居る。フィルム缶の中で」じゃダメなのかな?
love and rocketsはpeterが居ないだけに詰まらないのよ。danielのギタープレイだけじゃダメなのよ。peterのヴォーカルじゃないと。でもpeterだけでもやはりダメ。「ダリズ・カー」もコケちゃったし。
そう言えば「the sky's gone out」を買ったら「press the eject give me a tape」が付いててお得だった事があったな?
あと、bauhausと言えばゴシックロックのみならずグラムのカバーね。「テレグラム・サム」「ジギー・スターダスト」「サード・アンクル」「セヴェランツ」、原曲よりかっこよいかも。
「スピリット」も「今夜の俺たちの精神は、お客様は神様です」じゃダメなのかな?
個人的には、「in the flat field」「mask」よりも「the sky's gone out」「burning from the inside」といった所謂レコーディングの内省的になったbauhausのアルバムが好きでした。
PV時代の申し子だった感も否めないけど、やっぱり音楽って音だからね。でも体調不良だった時には、正直言ってゴシックロックは聴けなかったです。